【永田吉隆】油を絶てばアトピーはここまで治る【書評】

はじめに

メカニズムがきちんと説明されている本や論文は頼りになります。
植物油は人類の生活の中でほとんど食べられていません。油といえば、人類の歴史で言えば、バターです。インド人は千年以上、食の中心としています。
モンゴルの遊牧民も植物油はたべません。この歴史の事実をわすれてはいけないと思います。
(オリーブは例外といっていいです。なぜなら、オリーブは450年をこえる樹齢なのでとりやすいです。)

うつ病や体の健康のために、最近日本人がとっている、植物油について研究を調べてきました。
植物油が体の中で酸化されて様々な悪影響があるという本の書評を書きました。
こちら

 

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また、小腸大腸の真菌カンジダというカビが体の中で様々なダメージのもとになっている
本の書評を書きました。
こちら。 

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これら二つの本は、メカニズムがわかりやすく丁寧で説得力があります。
この植物油酸化や小腸大腸の真菌と腸漏れとペプチド吸収による悪影響という二つの話です。
これら二つが正しいとすれば、もっと多くの人に影響がでていることも考えられます。
(影響が時間がかかるものならば、気づかれないこともあります。)

今回の書評は、植物油と小腸大腸のダメージとその結果のペプチド吸収がとても体によくない、アトピーにとってよくないという話です。
メカニズムは、アトピーの炎症という観点であり、酸化といった分子レベルのメカニズムではないです。最大の強みは、公立の大規模な病院での実際の治療であり、1万人の治療の結果が出ていることです。
二つの本は、開業医の本なので、症例が比較的多いというわけではないです。1万人のレベルです。この書評を書いて紹介したいと思います。

一見、アトピーに関する本だと思いますので、うつや忙しい人はこの関連の本まで、読む余裕もないし、読んでも頭に入らないことがあります。

今回も、基礎的な知識をまとめておきたいと思います。
アトピーは皮膚の炎症です。わかっていない点も多いですし、一般の人には知識がないことも多いです。うつ病は、脳の炎症仮説が主流になってきました。その点でも、炎症につながる知識は持っておいたほうがいいと思います。
うつ病の炎症仮説からみた記事はこちら。

昔は、胃にピロリ菌はいないといわれていました。コレステロールは、取ってはいけないので、卵は一日一個といわれていました。
また、最近だと小腸には、細菌はいないといわれていたし、リーキーガットもないといわれていました。たんぱく質は完全に消化され、ペプチドの形では吸収されていないといわれていた。これらは、否定されています。
地中海式食事がいいという研究があったが、実は後に否定され論文は撤回されています。
植物油が健康にいいという研究も10年以上たって、研究論文は撤回されました。

研究は進んで行きます。最新の研究が確かかどうかは、メカニズムや仮説がしっかりしているかです。
その点をしっかり確認したいと思っています。メカニズムがしっかりしていないものを取り組むのはリスクが高い気がするし、それでは、人は動かないと思っています。

 

本の画像

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アマゾンレビューリンク

 

書籍タイトル
油を絶てばアトピーはここまで治る

書籍分類
皮膚の炎症であるアトピーの治療法の本
メカニズム解説よりも症例に強い
植物油のダメージや小腸大腸真菌カンジダの悪化による腸漏れにともなうペプチド吸収の害の対策本


著者
永田吉隆
下関市立中央病院小児科部長
鹿児島大学医学部卒業
アレルギー専門医
日本リュウマチ学会賞受賞
医学博士
20年以上、1万人の患者を治療。

 

著者の立場

 

公立病院勤務、学会の主流の人物。開業していないので、自分の病院で利益を得るということはない。
また、公立病院勤務なので、理論的に危うい民間治療は行えない。(著者のはじめにの文章より引用)
20年、1万人以上の治療に向き合ってきた経験をまとめている。

 

メカニズムの解説(書籍より一部引用)

 

この本は、症例1万人から得られた治療方法です。
つまり、植物油の摂取と小腸大腸真菌カンジダによる腸漏れの結果、たんぱく質ペプチドが体に悪影響がある、そして、その悪影響を取り除く治療マニュアルです。
メカニズムとしては、アトピーがアレルギーの一種として捉えた場合は、炎症として、解説しているところです。
つまり、アレルギーは炎症です。その一種のアトピーの炎症の原因が植物油の摂取と小腸大腸真菌カンジダによる腸漏れの結果、たんぱく質ペプチドの吸収、そして、米のたんぱく質、こう結論付けています。性格には、たんぱく質ペプチドの吸収のみです。小腸大腸真菌カンジダによる腸漏れは、別の研究から導かれています。
結果として、この本でのメカニズムは、炎症についてです。炎症全般の知識と言えます。脳の炎症仮説がうつ病なので、皮膚や体全体の炎症仮説はとても勉強になります。
この本は、原因としての植物油、たんぱく質ペプチドの吸収、米のたんぱく質と述べている点がすばらしいです。


アトピーの皮脂腺の著者の図

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著者はアトピーが皮脂腺から強く出ることに気づきます。そして、脂質脂肪油にたどりつきます。

 

換気扇の図

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換気扇の油の画像(未)


そして、普段の生活の植物油が換気扇についているのを思いつくのです。
著者は小児科医のため、こどもは、ペプチドがうまく消化できないで吸収されていることに、日本の中で誰よりもはやく気づいていました。リーキーガットが受け入れられる前から気づいていました。
また、寝る前にかゆくなることにより、ペプチド吸収後に、すばやく全身にまわることにも気づいていました。

 

メカニズムの解説としてとして優れているところ

 

メカニズムとしての本ではなく、治療マニュアルの本です。
治療マニュアルが優れています。

食事の例の画像

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アトピーで何を食べていいのかの図(かゆみ比率つき)

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その1

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その2

 

最重要はいもの図

 

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最後の患者の発言としても出てきますが、
最もダメージを受けている人が食べるものは、いもです。いもが最も健康的という結論です。
日本では、いもをたべるのは、料理法として難しいので、受け入れられていないだけです。
じゃがいもバターにすればいいです。
たとえば、油といっても、バターは問題なく、最も悪化している人以外は食べることは可能としています。米は、バターよりもダメージが大きいとしています。
また、著者はこのようなアトピーのダメージは排出型であり、貯蔵型がいわゆる、生活習慣病とよばれるものだといっています。うつ病の炎症仮説とも重なります。

 

メカニズムとして、足りないところ。

植物油が体内で酸化することのメカニズムが書いていないです。
当然の理由があります。
本書が出たのは、2006年です。15年前の本です。そこから売れ続けています。
そして、その間に植物油やDHAEPAの酸化の研究がすすみました。
また、小腸大腸カンジダや腸漏れの研究が進みました。
また、ペプチドで吸収されることもわかってきました。
この著者のいうとおりだったわけです。
15年後に証明されました。

すぐれた治療法の書籍だと思いました。
1万人20年の治療、そのためのアイディア、すばらしいです。
私の感想は、以下です。

 

感想

 

とてもわかりやすかった。
僕が、この本を手に取ったのは、どこかで、一週間に卵は二個までを推奨している医師がいると読んだからだ。体をつくるたんぱく質を制限するメカニズムはどういうことなのだろうか、このメカニズムが知りたくて、この本を読む予定だった。なかなか読む時間はなかった。
その間、別の本や論文で、リーキーガット、腸漏れをしって、たんぱく質がペプチドで吸収されるメカニズムを学んだ。だから、この本をよむ、最初の動機は解決していて、少しなくなっていた。
次の動機は、もう少し周辺的なもの。体のつらい症状を治している治療法は一通り学んでおこう、なにか得るものがあるかもしれない、このように考えて、本や論文を読むようにしている。
統合失調症についても同じような観点から読んだことがある。


この本を読んだ結論としては、植物油はやめて、小腸大腸真菌カンジダ対策をしましょうということだ。
これはかわらない。二点発見があった、一つは米のアレルギーだ。
白米を糖質制限でとるか、とってもいいかの議論がいまだにある。
白米で糖質制限の降下が出る人は、白米のアレルギーが強くでるタイプと思われる。
もう一つは、最重症の患者には、いもをたべるということだ。
日本では、いもにバターをつける習慣はあまりない、もちろん、食べ方としては皆、しっている、しかし、バターを食べる経験があまりないので、消費量も少なく、ジャガイモの消費量は煮物という、めんどくさい、負担のかかる食べ方になっている。
ドイツやイギリス、フランスやヨーロッパの国々では、ゆでて、バターをつけるか、ほかのソースをつけるかのように、非常に簡単にたべる。米をたくより簡単だ。
その壁をこえると、一気に食生活は楽になる。

 

自分が日常生活で取り組めること

 

 

最終的に、自分が取り組めることは、じゃがいもの摂取だ。安いし、バターでたべる。塩、黒こしょう、七味、バジル、カレー味、様々な味が出来る。
こうして、植物油をさけることができる。この本でバターについて説明しているが、米よりも安全、とされている。とても心強い。1万人を20年治療してきた実績である。
そして、梅干をたべて、小腸大腸真菌カンジダ対策を続けようと思う。


目次

はじめに
知らず知らずとっている油を絶てばアトピーは一気に解決へ

1章
3ヶ月あれば、どんな重症アトピーの皮膚も生まれ変わる
乳幼児から大人まで、ひどいかゆみ、皮膚の炎症が消えた

アトピーは皮膚の上で起きている火事だった
治す手順①火事の燃料を絶つ
②消火活動を行う
③火勢が弱まっている間に皮膚を再生
いままでのアトピー治療法5つの誤解


第2章
こんな毎日がアトピーを作っていた
なぜ、卵や牛乳、小麦などをさけても治らなかったのか

キッチンの換気扇のような油汚れが体の中にも
植物油がアレルギー、かゆみのもとになっていた
体内にたまった油が皮脂腺からにじみ出す
1週間に二個以上の卵は消化しきれずにヘドロになる
夜寝る前にかゆくなるのはなぜか

 

第3章
油まみれ、ヘドロだらけの体から抜け出せ
マヨネーズやドレッシングはいますぐやめなさい

ぎらぎら、つるつる食品はこんなにも悪い
アレルギー反応を治す食べ物がある
離乳食は鶏肉がいいか、白身魚がいいか
植物油抜きでもこんなにおいしい簡単メニュー
参考例下関市立中央病院の治療食
食が細い、体力がない、朝が弱いが2週間で解決

 

第4章
かゆみが消えて熟睡、これで皮膚が再生し始める
クスリを最も短期間で効果的に使う方法

くすりは治すのではなく、症状をとめるために使う
ステロイド剤3つの大誤解を解く
どのクスリをどう使うのが一番効果的か


第5章
食べていいものがどんどん増えていく
我が家でできる4ステップ食事療法
始めて1週間でよくなる手ごたえがわかります

よくなることを実感ーまず1週間試してください
いまの症状は軽症か重症か最重症か
自分の症状にあった体内浄化メニュー
軽症なら、たとえば牛乳は○、玉子焼きも○
中等症では、コロッケを肉じゃがに変えればOK
重症のときは、スパゲティは×、うどんなら○
最重症からいち早く抜け出すには、和風の煮物、いも類で
より効果をあげるー噛み方、運動法
乳幼児期、学童期、成人期別の注意点


第6章
治る過程で起こること、あらゆる心配事にお答えします
0歳から30代までの臨床例がしめすあなたの治り方

こんな症状がでたら治りかけている証拠です
治療開始後約1週間におきるリバウンド(噴出し)現象について
まず、東部、顔からきれいになっていく
排出型と貯蔵型

臨床例報告
いつ、どこからよくなるか
18歳女子:鏡をみるのもいやだった、その私の肌が信じられないほどぴかぴかに。
21歳男性:肌がよくなると元気も出てくる
8歳男児:アトピーの息子要の食事を食べていたら、私の花粉症も治り、減量にも成功
11ヶ月男児:長男の皮膚からはアトピーの跡形もなくなりました
27歳男性:かゆみ→かきむしり→化膿の悪循環からついに脱出
16歳男子:みんなと同じ生活が出来る、これが一番うれしい
3ヶ月女児:いい母乳を与えることの大事さを知りました
10ヶ月男児:じくじくしていた皮膚が1週間で乾いた
34歳男性:体全体が軽やかに これが治って行く実感
1ヶ月男児:予定通りに皮膚がきれいになっていくから安心
1歳7ヶ月男児:しらなければ悪循環におちいるところでした

よく出る質問
保湿剤など外用薬は?
石鹸は?
牛乳とカルシウム
大豆(しょうゆとみそなど)
ダニやハウスダスト
プールや日焼けは?
非アレルギー型のアトピーとは
ひっかくこと
アトピーの合併症 

 

おわりに

 

 

2021/5/9 15:45執筆